会員さん訪問 第97回
保谷厚生病院
NPO法人 すずらんの会
高山 衛士さん


な ま え たかやま えいじ
生年月日 昭和12年4月14日
透析導入 平成6年8月

病院患者会でNPO法人格を取得し、
通院とヘルパー派遣


 今回は練馬・大泉学園駅近くのすずらんの会の事務局におじゃまして、通院送迎に熱心に対応している高山さんにお話を伺いました。

透析導入はいつ頃ですか

 透析導入まではプラネタリウムなどの建設の仕事で、全国を飛び回っていましたが、平成6年4月頃に血圧が高くて下がらず、仕事の合間も吐き気などがあり、病院で受診したら腎臓がかなり悪化していて腎不全に近い状態でした。そういえば、30年前に生命保険に入る際の検査で、腎臓が悪いようなことをいわれたことを思い出しました。
 そして7月に2泊で新潟に墓参りに行った際には、足がパンパンに浮腫み、帰って病院に行ったら、次月8月に透析導入なりました。

現在の体調はいかがですか

 それから透析を始めて11年。網膜はく離をして、肺水腫で一回入院しましたが、月水金は午前中仕事に行き、午後透析、それ以外は一日仕事をしています。仕事は住宅のリフォームをしています。体を動かしているせいか、新陳代謝もよい気がします。透析も特に問題なく体調はいいです。

趣味は旅行に山登り

 趣味は昔から山登りです。北アルプスなど色々と登りました。今は仲間と一緒に旅行したりすることも多いです。金曜日の透析が終って、夜行バスに乗り、立山に行ったりしています。黒部渓谷も回ってきました。

NPO法人すずらんの

神奈川・中川温泉にて

 平成6年ごろから患者の送迎を始めましたが、東腎協常任幹事も務めた、故浅岡正義前会長がNPO法人取得に積極的だったので、一緒に準備をし、関係団体に何度も相談に行きました。東京都にも2〜3回通って申請書類を作成し、大変苦労して平成13年にNPO法人格を取得しました。

 その後、訪問介護事業所、居宅支援事業者として東京都指定を受け、通院送迎サービスとともに、ヘルパー派遣も行って患者さんに安心して通院してもらえるようサポートしています。

 現在、病院の補助もあり、車はリフト付で2台所有しています。15〜6人のボランティアで送迎業務に当たっていて、そのうち1名は透析患者の方です。運転者は全員教習場で講習を受けています。
 利用者は40人ぐらいの方が会員になってもらい送迎を使っています。送迎するのは70歳ぐらいの人が多く、年間実績は7800回になります。距離は片道1キロから5キロぐらい。練馬区福祉タクシー券の使用が可能です。
 事務局は3人で、後はヘルパーで活動しています。 私は雪の日や、人手が足りないときに送迎を手伝っています。

送迎で問題などありますか

 送迎される側にも考えてほしいこともあります。たとえば、いろいろな都合で送迎のボランティアさんが遅れると、車が来るまで待っていられなくて、勝手にタクシーで帰ってしまうなどのわがままな患者さんもいます。営業タクシーではなく、困った方のための送迎ということをわかってもらいたいです。





患者会の活動は

 30数年前、東京に来たときは、透析は「金の切れ目が命の切れ目」と言う話しはなんとなくうわさに聞いていましたが、自分が透析導入になり、初めてその意味がわかり実感しました。
 東腎協から来る署名要請には独自の文章を作成して、それぞれの患者にアピールして協力してもらっています。
 また、入会の案内も独自に作成して、患者会の必要性を話しています。

東腎協に対してご意見は

 東京の患者さんにはもっと危機意識をもってもらいたいと思います。地方は透析病院が近くになく、通うのも苦労が多いので、送迎の問題に関心があり、とても熱心です。東京の方は近くに透析病院があるせいか危機意識が薄いように思います。
 また、患者会主体の送迎団体は4つしかありません。これから益々重要になってくる通院送迎問題について、東腎協でそれぞれの病院の送迎の実態のアンケートなどをして、内容をまとめ、各患者会にアドバイスや、サポートをしてNPO法人取得などの協力をしていってほしいと思います。講習会や、説明会などを開いていただいて、私たち、「すずらんの会」の今までの経験を生かして協力をしたいと思っています。

〈あとがき〉
 高山さんはとても積極的で薬品会社にわかりやすい災害パンフレットを請求して、皆さんに配布したりして、アンテナを色々ともっているのだと感じました。(取材・當・岸里・軽部)


東腎協 No.161 2006年1月25日


最終更新日:2006年4月6日
作成:K.Atari