年頭のあいさつ |
心を一つに結集して進もう |
東腎協会長 榊原 靖夫 |
会員ならびにご家族の皆様、新年明けましておめでとうございます。2006年の年頭にあたり、謹んで新春の祝辞を申し上げます。
迎えた新しい年が東腎協会員のご家族にとって希望と明るさを感じられる年でありますよう、心より祈りたい気持ちで一杯です。さて、昨年2005年は国の内外を通じ、天変地異が多発し、政治や世相も大きく激しい動きを呈し、中でも、年末にかけて「郵政民営化」の大きな政争の陰で「障害者自立支援法」があまりに拙速に、且つ十分な中身の議論も無しに、また当事者である障害者の声に耳を貸すことも、世論にその是非を問うことなく、法案成立となりました。
この「障害者自立支援法案」に対し、東腎協、全腎協は要望書の提出、陳情と請願行動を繰り返し、全力で必死に抵抗してきました。この法律の実施主体は各自治体の区市町村となります。従って、これからの東腎協の要望、要望活動対象も自ずと変わって行く事となり、都の所管各局を始め、各区市町村の行政への働きかけが大変重要となってきます。この流れと方向性は、強まる事必至と思われ、この大きな変革に東腎協は意識統一を計り、しっかりと順応して行かなければなりません。
振り返れば、過去数年間に渡り、毎年、先人達が献身的活動で勝ち得て来た、貴重なる医療と福祉の制度が、なし崩し的に切り捨てと後退を強行され、私達が最も大切にして来ました患者会の原点「命と暮らしを守る」に強い危機感を覚えさせられます。それに加えて今年は透析患者にとって自己負担増を生ずる事必至な「医療制度改革」が直ぐ目の前に迫っています。この改革案の内容は透析患者には誠に厳しいものとなっており、今まで享受してきた他の疾病に比べ恵まれていると思われる「誰もが安心して受けられる質の高い透析医療」に感謝の気持ちを持ちながらも、私達の命にも係わるこの事こそは守り抜く決意を透析患者全員で誓い合いましょう。そして決してこの現実に怯むことなく、今こそ自分自身の為、仲間の為、皆で心を通じ合い、結束し、「守るべき物」の為、団結を大きな力として果敢に行動して行きましょう。
2006年はまた、我々東腎協にとって、組織としての記念すべき新しき再出発の節目の年でもあります。会員の皆様の全面的合意の基、33年余の歴史を刻み、先人達の辛苦と奮闘、愛着と誇りの染み込んだ「任意団体・東京都腎臓病患者連絡協議会」から「NPO法人東京腎臓病協議会」と名称を改め、より強固な組織の維持、発展を目指し、ここまで育てていただいた先人や関係者、医療スタッフの方々、社会の人々への心からの感謝に気持ちを表す為にも、現在の活動の継続発展を計り、社会性、公益性にも注視し、多くの社会の人々に理解され、周知される活動を志し、社会貢献の活動を目指す組織に改めて行く事となりました。2月中には「認証」が得られ、「登記」が済まされる予定になっています。その時点から「NPO東京腎臓病協議会(略称NPO東腎協)」として、新たなる一歩を証す事となります。
あくまでも「東腎協」発足時の精神を忘れず、時代と環境に的確に対応し、NPO法人取得の真の目的と意義を全会員で理解と確認をし、それを大きなエネルギーに換えてNPO法人の利点を活かし、目前に有る大きく激しい試練にも恐れる事なく、皆で決めた目的と指針に従い、心を一つに結集し、皆で同じ方向に向かって勇気を持って進みましょう。
東腎協 No.161 2006年1月25日
最終更新日:2006年4月6日
作成:K.Atari