リレー エッセイ

いろんな患者さんの話に耳を傾け

東腎協常任幹事 古木 直之
(鶴田クリニック友の会)


 私が、患者会に足を踏み入れたきっかけは、当時通院していた高島平中央総合病院(高中病院)で当時の東腎協幹事・鈴木勇氏に誘われたからだった。そのころの「高中病院」は透析ベッド6台で行なっていた。それからすぐベッド数が10台に増えて16台になり患者も増えていった。その頃患者会を作るからと鈴木勇氏が声をかけて来て役員をやってもらえないかといわれ名前だけならと言うことで簡単な気持ちで引き受けた。最初の頃は、月一回の役員会には仕事と重なり出られなかったので本当に名前だけの役員でした。

 1年目位には、なんとか役員会に出れるようになっていた。その後、2年ぐらいたった時鈴木勇氏に板橋区腎友会ができたのでちょっと顔を出してみないかと誘われたのが板橋区腎友会の運営委員会だった。その頃の板橋区腎友会は、東腎協役員(会長・副会長2人・常任3人)が6人もいた。運営委員会の会議で板橋区の話をしていてもいつの間にか東腎協の話になっている。はじめて行った私にはわからない内に終わってしまった。
終わった後、皆で食事に行き、普通に食べて飲んでいる、そんなに食べても大丈夫なのか?と聞くとある程度食べなきゃ体が持たないと言われた。そういう事は、先生は教えてくれない患者同士で話したりすると情報が入ってくるけれども言ってくれないこともある。お酒を飲めば血圧も下がる。先生ならすぐわかる事なのに患者同士では、それを言わない。透析患者は、血圧が下がればシャントの方も血栓ができやすくなる。その辺の所を、何故か言わない。私のお酒のせいで血圧が下がり血栓が出来てPTA(血管拡張)をやった経験がある。笑い話みたいですが。

 先生は、検査データを見てよいですね、と言うだけだが患者が食事をとらないでいればデータは良いのは当然だ。食うな、飲むなと言われれば中には今は、そういう患者もいるだろう。「飲むな・食うな」と言われれば余計に食いたくなる、飲みたくなるがどのへんまで食べてよいのかその辺を教えてくれるのが、患者会活動ではないか?そういう所が、患者同士のコミュニケーションの場ではないだろうか。

 透析以外の日もなるべく顔を出して覚えてもらうようにする。これが、患者会の原点ではないかと思う。他の病院の患者さんの話、を聞くこれも勉強になる。いろいろ聞けば情報にもなる。コミュニケーションにもなる。あとで絶対役に立つ話もある。いろんな患者さんの話にも耳を傾けて行きたい。会員が集まらない現象もあるが、少しずつ増やして行きたいと思う。

東腎協No.161 2006年1月25日


最終更新日:2006年4月25日
作成:K.Atari