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特集 介護保険体験者に聞く、どのように利用していますか

座談会出席者
司会
糸賀 久夫(52歳)
東腎協会長 松和患者会新宿南口支部
菊池 克子(65歳) 個人会員
西  裕也(66歳) 松和患者会西新宿支部
原田 幸枝(70歳) 個人会員
金井 美香(38歳) 望星田無クリニック ケースワーカー、ケアマネージャー
高橋 弘子(46歳) 介護支援センター・笹塚ケアー21   ヘルパー
介護保険がスタートしてから一年半が過ぎました。この10月より、65歳以上の保険料の全額徴収が始まり保険料の負担が重くのしかかります。
 7月22日、東腎協では、介護保険を利用している会員の座談会を行いました。当日は、大変な猛暑の中でしたが、ヘルパーさんや、ケアマネージャーにも協力していただき、深く感謝しています。
 座談会では、会員さんが日頃、介護保険を利用されての率直な思いを話し合っていただきました。その中で、改めて、透析のための通院交通費の負担が重いことを実感しました。
 介護保険は、担当者の人間性に左右される面が大きく、利用者とのふれあいや、信頼が大切です。まだまだ、わかりにくい制度との声も聞かれます。
 誰にでもわかりやすい、利用しやすい制度にしていくための活動がこれからも必要です。
糸賀 お集まりいただきありがとうございます。今日は、実際に透析をしながら介護保険を使っている皆さんの体験を聞きたいと思います。本日、参加のケアマネージャーの金井さんにも良いアドバイスをもらえると思います。それでは、自己紹介と、透析、介護保険の状況などを菊地さんから話してください。

菊池 私は昭和52年に透析に入りました。26年目です。最近、どういうわけか透析中の後半に意識がおかしくなり、救急車で2回ほど運ばれたりしました。ヘマトも低く25位です。ヘマトさえ上がってくれれば、もっと元気で行動的になれるけれど、今は通院も、ちょっと恐いので介護保険を利用して、ヘルパーさんに迎えに来てもらいます。

糸賀 そうすると、透析後に病院に迎えにきてもらっているのですか。

菊池 はい、週3回、透析の終わり頃の2時に迎えに来て、うちまで送ってもらい、すこし時間が余るので、掃除や、ちょっと用事もしてもらいます。朝も大変だから、病院までは主人が車で送ってくれます。

糸賀 介護保険を申請されたのはいつごろですか?使ってみた感想は?

菊池 今年です。それで私は介護保険の要介護2だったのです。
 介護保険のヘルパーさんには十分やってもらって、恵まれています。区域によってはヘルパーさんが毎日変わるそうですが、私は水曜と金曜は同じ人が来てくれて、月曜日だけ別の人が来てくれて、月曜日の方は木曜日にも掃除に来てくれる。本当にいい制度だと私は思います。主人以外に身内はいないものですから。

糸賀 良い人に恵まれ良かったですね。菊池さんは、日頃は何かやっていますか。

菊池 ええ、足が悪いのですけれど、できるだけ出掛けるようにしています。今度、お年寄りばかりの高齢者の民謡教室に入ったの。一人でうちにいるとしゃべる機会がないのでそういう所に行って、皆と歌ったりしたらいいのではないかと、入ったのです。

糸賀 そういう意欲は大事ですね。介護保険のほうで何か要望みたいなものとかありますか?

支払いが大きい

菊池 ちょっと支払いが大きいわね。一カ月、2万円位払っています。

糸賀 1割で2万円というと、けっこう大きいね。20万円を使っていることになる。

菊池 タクシー代が大変です。家からクリニックまでは1回3000円程、割り引いても2500〜2600円。

糸賀 これが大きいね。ボランティアでやってくれそうな、1回300円位の送迎サービスというのがあってもいいね。

菊池 まだ主人が元気だからいいのです。主人が倒れたりしたら、送ってもらえなくなり、往復タクシーになってしまうと、大変です。

糸賀 そうすると、菊池さんのところの問題はタクシー代の負担が大きいことですね。続いて、西さん、お願いします。

西 私のほうは、火、木、土に違う人が来ています。

糸賀 透析の行きと帰り、朝とお迎えのほうは同じ人?

西 行きは家内が送ってくれる。往復タクシーにしたら、タクシー券などもらっても、一カ月保たないです。うちは、1メーターで行くけれど、そうでないと、とてもじゃないがお金が保たないです。バスに乗ろうと思っているのですけれど、ひっくり返ってしまうと嫌だから。

糸賀 西さんは、介護保険はいつぐらいから。

西 介護保険は始まってすぐ。区役所の人から「ヘルパーさんの制度ありますから、事務所のほうに電話を掛けて下さい」と。すぐに電話して、近所の事務所のほうにお世話になっている。

糸賀 介護度というのは2ですか?目も悪いようですが。

西 僕のところには1回目に二人来て、要介護1だったの。「そんな馬鹿なことはない。足もよう立たないのに、そんなことがあるものか」と言って、次に来た人は「はい、分かりました」と言って、すぐに要介護3になった。目は0・02でほとんど見えない。眼科に行ってもみえるのは、目の周りだけ。本当に目が不自由なのは苦しく、家の中でじっとしているのは、つらいので、ヘルパーさんと外出し、しゃべるのです。家に一人でいる時はワーッと吠えて、大きく声を出すの。

糸賀 内にこもってしまうよりは、ストレス解消になっていいですよ。そうすると、奥さんや息子さんがいないときは、うちで一人。

西 もうズーッと一人。息子は一緒には住んでいないし、家内は10年位前から昼間は働いています。

糸賀 その、奥さんが透析のときは、毎朝、送ってくれて、帰りはヘルパーさんが迎えに来るのですね。
 今日、付き添ってきていただいたヘルパーの高橋さんは、何か有りますか?

高橋 私は西さんとは一緒に透析に行ってないのです。今日は臨時で来ました。

西 透析に行ってくれる人は、決まった人でないと状態を解ってもらえないので、火、木土曜日と皆決まっています。

糸賀 西さんは目の障害も、内部障害もあるし、説明するのも、理解してもらうのも、他の人より大変ですね。

西 私のところは、週2回、月8回、訪問看護の看護婦さんも来ている。

原田 看護婦さんだと高いのでしょう。

西 看護婦さんは1カ月に1万円ぐらい取られる。ガーゼなどいろいろな物の経費も必要だから。そして、ヘルパーさんは、安い時は1000円位、普通で言ったら2000円から3000円位あがると思います。私は要介護3だから、保険使って25〜26万円だけれども、1割払ったら、障害年金をもらっても、大変です。

金井 介護保険の前に、区役所のヘルパーさん使っていましたね。高齢か障害か分からないのですけれど、それの経過措置で1割のところでも、3%の負担で利用できているから、ヘルパーさんに払うものは少ないのだと思うのです。区役所から、白い色の券がきませんでしたか?

西 来ていると思います。家内がやっているみたい。それを出さないと3%負担でなく、1割負担になってしまう。

糸賀 訪問看護のほうの自己負担は?

金井 これはたぶん、1時間なのか1時間半なのかによるのですけれど、ステーションから来ているので、だいたい1回使って830点ぐらい。そうすると6640点ぐらい。7000円ぐらいの負担にはなるのかな。あとガーゼなどの衛生材料は自己負担なので、実費です。

原田 西さんは医療処置のほうもやっていらっしゃるの?

西 はい、大きな手術をして、穴が開いているので肺がこうして見えているのです。その穴から空気が漏れるのです。

糸賀 他には、西さん何かありますか

西 私もタクシー代はバカにならない。後、今の事務所のほうは大丈夫なのだけれど、最初に行った所は、1時間単位など利用時間があまりにも短いので断られました。

糸賀 儲けにならないと思ったのだね。

西 それで頭にくるから役所に言ったら「断った事務所は民間なので、こちらでは言えないです」と、何を言っているのか(笑い)。

苦情は言えるシステム

糸賀 苦情はどんどん言えるシステムになっているはずだから。今の事務所は大丈夫?

西 今の事務所は,ちゃんとしてくれる。最初の所には本当に悔しい思いをしました。

糸賀 今度の介護保険は、そういう利用者の声などを、充分に反映できるように、苦情があれば申し出られるはずです。

西 役所に言ったけれど、役所は「民間へは、うちからは言えない」とはっきり言ったもの。役所もいい加減ですよ。今は、我が家の辺りを管轄している本部のような所が「なにかあれば、お世話します」。と言うのでお願いしています。

高橋 介護支援センターです。

糸賀 介護支援センターも、介護保険の窓口のようになっているのでしょうか?

金井 在宅介護支援センターは、たいがいの一般のお年寄り全般のご相談窓口と、介護保険等の二枚看板になっています。

糸賀 分かりました。では、西さんはひとまず。原田さんお話を。人工透析の状況とか。

原田 透析も23年も経ちますと、だんだん昔のようにいかず、電動車椅子を使っています。でも歩かないので筋力が衰え、内臓的にも良くないようです。最近では4時間半の透析をしているのですが、血圧が下がるし、血管も随分いかれているので止血にも時間がかかり終了後が大変です。

糸賀 けっこう皆、きつくなっていますよ。
通院はどうしていますか。

原田 このごろはとてもきついので、身体介護の一環として、ヘルパーさんに車で迎えにきてもらっています。一番大変な、月曜日と水曜日に利用して、金曜日はゆっくりしたいし、自分の用事や他科への受診もあるので、バスを利用しています。低床バスというのがありまして、電動車椅子のままスッと乗れるのです。初めは恐いと思いましたが挑戦してみました。

糸賀 そういう挑戦は、大切です。通院の料金はいかがですか。

原田 介護保険の限度額いっぱいの枠内で利用していますので、助かっています。

糸賀 原田さん、足のほうはどうですか、他にも体の具合は?

原田 足は、膝の人工関節を薦められているのですが、案外に臆病なもので、手術に踏み切れません。電動車椅子を使っていると運動不足になり非常に良くないと思います。その他には、首が摩滅しているようですし、肘もだめです。

糸賀 それでは介護度は2ですか?

原田 いいえ、私の場合、要介護2でも良いと言われますが、1です。いろいろなことを自分でしすぎるから、1なのかしら(笑い)。

充分に介護保険を利用

西 「できる、できる」と言ったら駄目なの。ケースワーカーが来たときは「できないことは、できない」と言わなければ駄目です。

原田 ちょっと損しているかも知れませんが充分に介護保険を使っています。うちの主人が、20年も寝たきりで、家政婦さんのお世話になり、本当に大変だったのです。

糸賀 ご主人は? 医療保険のほうになっているのかな。

原田 主人は要介護5ですが、病院が医療保険になっているので、該当せず、介護保険は使えません。

糸賀 そうすると、原田さん自身はヘルパーさんをどのように利用しているのですか。

原田 月、水は透析後から、土と木曜日の午前中、隔週で2回日曜日に来てもらい、身体介護で入浴の手伝いが1時間位、その他、家事援助をお願いします。

糸賀 費用はどれぐらいの負担になるの?

原田 1ヵ月、1万7000円弱ですね。

糸賀 そうすると、使える介護サービスをどんどん使っているという感じですか。

原田 はい、助かっています。今は三人来ており一人がメインでやってくれているのですが、とてもいい関係で、それぞれのヘルパーさんの持味が出て、私はとても快適です。これがまた入院したり、曜日が替わったりすると、またこのシステムが違ってしまう。ヘルパーさんにもいろいろな方があるという話。相性もあるでしょうし。

糸賀 ヘルパーさんのそれぞれ資質もあるし、縁みたいなものですから。
 他人を家庭に入れるということに抵抗を感じる人もいるようだから、難しいところです。さて、一通りいろいろ聞きまして、それぞれの立場で介護保険を利用しているようですけれど、金井さんのほうから、何か感想や、日頃思っていることなど有りませんか。

金井 お話を聞いていて、分かりにくい制度だなと(笑い)思います。
 菊池さんのケアマネージャーという方は、どこの事業所の方を使っていらっしゃるのですか? 病院の中の在宅介護支援センターなのかしら。

菊池 ところが、病院とは関係ないと言うのよ。どういうのか私もよく分からない。

金井 その辺がすごく分かりづらいのだと思うのです。自分が頼んでいるところのケアマネージャーさんが、ヘルパー・ステーションの職員なのか、在宅介護支援センターの、ヘルパー・ステーションとは全く別の所の職員なのか。あるいは訪問看護ステーションの中の看護婦(士)さんをやっている人がケアマネージャーなのか。割りとそういうところ…。

高橋 西さんを扱っているのは私の会社のケアマネージャーです。

金井 民間でいらっしゃって、ケアマネージャーさんがいて、さらに行政(在宅支援センター)の側からも関わっているというケースなのですね。

高橋 そうです。

金井 菊池さん、西さん、原田さんとも、住んでいる地域が違いますね。本当に住んでいる区域や市町村、保険者がどういう考え方をしているかによってもサービスが違いますし、介護保険外の、横出しといわれている給食サービスであるとか、そういった部分が違ってきているなと思います。事業者にしても、どういう事業者を選ぶかによって、サービスが変わってはいけないと思うのだけれども。
 介護認定の仕方も違うし、調査に来られるのが市の職員しか派遣していない所と、民間のケアマネージャーでも行けるようにしている所、在宅介護支援センターの職員しか行けない所とか、そういうことでも違うと思うのです。

状態を具体的に

 自分のケアマネージャーさんが、例えば調査に来てくれれば、自分のことはよく分かっているので、黙っていても特記事項を書いてくれる。でも、ぜんぜん知らない1回ぽっきりの人が来たときには「電動車椅子で動いているのです」と言うと、足が悪いとか悪くないではなくて「電動車椅子で歩けているから、できる」になってしまうのです。そうなると、交通機関を使って外出できるという、自立にいちばん近いところにチェックが入ってしまうのです。そういうことで、例えば、手に痺れがあるかないかでチェックがつくのではないのです。痺れがあっても日常生活に困ってなければ、それは「ない」とされるのです。ですから、痺れがあるためにビンの蓋が開けられないのだとか、包丁が持てないのだとか、自宅からそこの曲がり角までは歩けるけれど、それ以上は歩けないだとか、そういうことを具体的に言わないと駄目なのだということです。
 あと、透析の患者さんでマニュアル通りにつけると、すごく気の毒だというか、私が実際にあったケースなのです。7日間のうちの、例えば歩ける日と歩けない日がある。透析の後はもう血圧が下がってぜんぜん歩けないと言ったときに、透析は週3回ですね。透析をしていない日は4日ありますね。頻度でいくから、透析をしていない日の状況を書かれてしまうのです。

糸賀 相対的にはそちらのほうが中心になってしまうのですね。

菊池 私なども包丁が持てない、料理ができない、こちらの手が使えないとか、いろいろ言ったものですから、急に要介護2になって、びっくりしてしまった。

糸賀 でも、それは事実。今、金井さんが言ったように、そうやって具体的に言うのがいい。

菊池 でも、私、要介護2になって、ヘルパーさんが手取り、足取りやってくださるとき、もう少し自分でこれぐらいできるのだけれど、と自分が惨めになってしまうときがある。

糸賀 その辺に、その人の考え方や、生き方もありますね。もう少しで終わりたいと思うので、皆さん、けっこう具体的にいろいろ出ているけれど、金井さんのほうから。

金井 介護度の変更は、調査の時に、頑張って伝えれば変わると思います。どうしても駄目であれば、不服申し立ての方法もありますから、できると思います。後はケアマネージャーの方にご相談してみるのも一つの方法だと思います。私などは、心配な方の場合には、調査の時に同席をさせてもらうのです。そこまでケアマネージャーがやるかやらないかも、ケアマネージャーの考え方だけれども、上手に伝えられそうにないという場合には、一緒に行って「こういう感じですよ」と伝えます。ご家族が同席できない場合も、やはり難しいです。透析後の血圧の下り具合だとかを具体的に表現出来なかったりしますので。中には「できない、できない」と言うのが、つらい方もいます。

糸賀 けっこう体を張ってしまうこともあるでしょうから。

金井 もっと高齢の方は、知らない人が来ると緊張して、普段出来ないことが出来てしまったりとか(笑い)。

糸賀 保険料のほうは、秋から全額徴収になるのでしたか。

原田 10月からです。

糸賀 10月から。もうちょっと徴収が、本格的になってくるから大変ですね。

原田 結局、余ればいいというものの、目一杯使えば、それだけプラスアルファーで自己負担は高くなってしまう。だから、全部使いきらないで、少なくしかなさらない方もある。

西 私らも使わないもの。目一杯要介護3の分を使ったら20何万使えるのですけれど、それ使うと支払いがバーンと増えてくる。2万円からに増えてきたら、障害者年金では支払えない。

糸賀 使い勝手がなくなってしまう。持っていかれてしまうから。他には、何か注意とか?

金井 やはり透析患者さんの場合は通院でヘルパーさんを使うので、例えば西さんのほうどうなっているか分からないのですけれど、午後2時半ぐらいに透析が終わって、2時半に帰れる人はいいのです。場合によっては血圧がポーンと下がっしまって、上がってくるまで1時間ぐらい病院で待機ということになったときに困りますね。1時間しか契約していないのに、時間が足りなくなって。

西 事務所からバンバン、それ言われるの。「時間、時間」と言って。血圧が下がったときは、もう帰れないから寝るでしょう。そうすると、時間がオーバーしてしまうから、他へ行く時間が取られると、事務所から言われるの。だから、事務所と喧嘩したの。何を言っているのだ。私は、具合が悪くなったのだから、しょうがないではないかとね。

金井 うちの病院自身もそうですけれど、9時から1時までと言っていても、場合によっては、向こうで待っていて1時に帰れなかったりして、困る時もあります。そういう時は本当に…事業所の立場も大変だから。

糸賀 難しいところですね。組合せができ無くなってしまうし、後の予定もあるから。

金井 そうですね、いろいろな雇用形態をされていると思うのです。ヘルパーさんの地位みたいなものもあって、1時間の契約なら1時間分のお金しかもらっていないと思うのです。だから、利用する方もそれしか払っていないし、ヘルパーさんもそれしかもらっていない。1時間の契約が急に延長になり、3時間居ても、1時間分しかお給料が入らない仕組みなのです。

西 だけど、僕としては「どんなことがあるか分からないから」と言って、ケアマネージャーさんに言っているわけ。私としてみたら、とにかく来てもらった以上、もし時間掛かっても、私の所に来た時間をきちっと付けて、その分の賃金ももらって欲しい。でも、そのようには受けてもらえない。
金井 ですから、毎回毎回お金を捨てるつもりで、点数がもしあるのであれば、3時間ずつ買うのであれば、相手さんは出してくれると思うのです。そうでないと(笑い)なかなか難しい。

原田 もし時間が余ったときは、うちの中のことを手伝っていただくというふうになさればよろしいのではない。

金井 ただ、余った時間を利用するのも、何をするかによって単価が違うではないですか。ケアプランには(身体)と(身体・家事)と(複合)と(複合・家事)と(家事)とあるのです。これらのどれか1つのケアプランを1カ月間、変えないというシステムでやっているでしょう。だから、その時々の体調に合わせてというふうにならないと思います。

糸賀 弾力性がないのだな。

原田 ごめんなさい。お話の途中ですけれど、それとは別に、区のほうの介護というシステムが、昔、介護保険が導入されない前にやっていた、所得に応じて云々というのがあるではないですか。それはどうなのです。

金井 基本的にはなくなりました。障害者の方で、介護保険が適用できない方にはあるのです。障害であっても、介護保険の介護度が出てしまうと、全部介護保険が優先。障害者のヘルプが出るのは、基本的には介護保険に該当しなくて障害者の方。

原田 なるほど。

変更申請はいつでも

金井 例えば要介護1の時、具合が悪くなって要介護2にしたいのだけれど、更新時まで間があるからと待っていて、その間、点数分全部を適用していたらとんでもないことになってしまいます。もし体の状態が変わったら、更新を待たないでも変更の申請をかけて、自分の介護度を上げなければなりません。

原田 そうですか。分かりました。

糸賀 変更はやはり6カ月間なの。

金井 変更申請は、すぐに掛けられます。例えば介護度が出ました。介護度1でした。翌日転びました。骨を折りました。もう、すぐにかけられます。

糸賀 ありうるのだ。いつでもできるということね。状況にあっていなくなるわけだから、そのままで何カ月もいるというのは、ちょっとおかしいものね。なるほど。

金井 そういう意味では、痴呆が出た時など、すぐかけるようにはしています。うちは透析施設の中に、ヘルパー・ステーションもありますので、その辺は若干時間がずれそうだと言ったら、人のはりつけはパパパッと変えて、対応しています。

糸賀 なかなか、対応できない所が多いのではないかな。
それと、透析の患者さんへは特別の課題もありますね。通院や時間。

金井 事務所から病院まではどのくらいの距離か。隣にあれば、ちょっと事務仕事でもしていて行きましょうという話になるだろうけれど、1時間か30分かけて行くのであれば、その交通費の問題とかも、契約書で細かく決められていると思う。

糸賀 時間の計り方は、例えば事業所からお迎えに行くじゃない。その所からの時間になってくるのですか。

金井 基本的には、おうちに入ってから出るまでの所が多いと思います。

糸賀 病院に迎えに行く場合は? 病院からなの?

金井 その病院に入ってから。

糸賀 病院に入ってからがスタートになっている。迎え時間は見ないのですね。

金井 ただ、自分が営業していない地域に病院があるとします。ご自宅は営業地域にあっても、病院が営業地域になかった場合には交通費を取りますとか、ここからここまでの時間は加算させてもらいます。それが契約なのです。全て契約通りに行われるのです。

糸賀 交通費の時間も全て契約に則り行われるということです。具体的な話がだいぶ出てきたので、参考になると思うのです。これから使おうという人たちの役にたつと良いですね。時間が来ましたので、今日は本当に暑い中をありがとうございました。
東腎協 2001年11月25日 No.140

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最終更新日:平成13年11月8日
作成:Tokura