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特集 新春座談会「21世紀を迎え東腎協の明日を語る」

出席者
小野 協子(おの ともこ)東腎協常任幹事、青年部長
(透析導入年月日1996年1月5日、東海病院ひまわり会会員)
星野 裕介(ほしの ゆうすけ)東腎協常任幹事、青年部副部長
(移植年月日1995年8月、個人会員)
大崎 春美(おおさき はるみ)青年部幹事
(透析導入年月日?、虎の門高津会会員)
岸里 悟(きしさと さとる)青年部幹事
(透析導入年月日1996年1月29日、森山病院友の会会員)
戸倉 振一(とくら しんいち)青年部幹事
(透析導入年月日1997年、森山病院友の会員)

記録 木村
カメラ

前文

最近、若い人の透析導入は減少している。しかし、年齢が若く、透析年数も少ない会員が今後の会活動の大きな部分を担っていかなければならない。東腎協にも、青年部が組織化されてから、 すでに一〇年が経過した。二一世紀を迎えるにあたり、若者の目から見た東腎協について、青年部の皆さんに話し合っていただいた。

司会軽部 和之(かるべ かずゆき)
編集委員

司会 二一世紀を迎え、新しい時代を担う青年部の皆さんの東腎協・患者会に対する考え方を、不満とか本音で語っていただければと思います。先ず口火を青年部長の小野さんからお願いします。

小野 高齢化しているので、若い人が率先して会を運営していかなければいけないと思いますが、すんなりと受け入れてもらえない点もあります。期待を持っていただくのはうれしいのですが、受け入れる体制をもっとつくってほしいと思っております。

軽部 続いて、これから東腎協を担うと期待されている戸倉さんいかがでしょう。

戸倉 まだ三年目ですから、分からないところが多いので、一つ一つ勉強と思ってやっています。二年目から病院の役員を頼まれ、できることなら何でもやりましょうと、始めました。「森山病院友の会」では年齢に関係なく、何かできることをやるという形で。チームプレーで、なんかうまくいっている感じです。「江戸川腎友さつき会」の会計も今年から、東腎協副会長の森田さんから言われまして、やっています。
江戸川区で今回、災害時の腕章を区長のご理解を得まして、「友の会」、「腎友さつき会」の会員プラスアルファーの三〇〇名分を配ってもらうようにしたんですけども。文章を書いて会長に渡して、それが区長にいって、それを見て区長さんは納得してくれたんですね。お年寄りが全部かどうかわかんないんですけど、柔軟性がないように見受けられますが、若い人たちが見て悪いと思ったら、失敗を恐れないでどんどんやればいいと思ってます。
 東腎協に対して今のところ、観察してるという状況です。私は子供が今、中学一年生と小学校五年生ですし、私自身やりたいことやってきました。別に思い残すことはない、生きてるだけで幸せだといういうような部分がありまして、子供たちが幸せに将来暮らせるような社会に、東腎協を核に運動できればいいかなと思ってます。

軽部 次に透析では長くて、経験豊富な大崎さんお願いいたします。

大崎 透析導入時の平均年齢が六三才という現状から見ても、お年を召した方が多い会で、暗い、硬い感じでしょうか。、若いから、入っていろいろやらされちゃったらいやだなとか、、若い人をこれから東腎協に向けるのは大変だろうなという感じが、実感としてありますね。
昔は、機械が足りないとか、治療代が払えないとか、すごく身近な問題があったんですけど、今あんまりないですよね。そうすると、東腎協よりも、健常者と一緒に遊んでた方が楽しいでしょうから、若い人を東腎協に向けるには、なんか違う姿をもっと見せていかないといけないんじゃないかと思うんですけどね。

軽部 次に、常任幹事で、三年目ぐらいですかね、星野さんよろしくお願いします。

星野 自分は、参加も、協力もできてないということで、悪いことしてるなというところがあるんですね。偉そうなことは言えないと思っているんです。きっかけとしましては、僕自身今は移植しているんですが、五年ぐらい前は透析で、同じ病院だった方に、こういう組織があるんだけど来てみないかってことで、一回常任幹事会の方にオブザーバーとして参加して、驚いたと言いますか。 患者は一人一人がこの病気に向き合って、ただときどきベットの回りの人と、ちょっと病気に関してお話しするぐらいなのかなと思ってたんですけど、組織があって、例えば社会保障のこととか、合併症のことについて話し合えたり、東腎協とか全腎協という、患者会の組織が行政に働きかけて、自己負担が無くなってきたという、そういうことがあることを知ってすごいことなんだなと感じました。それで、印象としては、確かにすごく大事な部分はあるんですけど、中でもまれてるっていうことは、僕なんかまだ若かったせいもあるんですけど、ちょっと取っつきにくいというんですか、難しいというような印象があったんですね。
若い人の受け止め方としては、自分と同じ病気を持ってて、なおかつ同じ世代の人と交流することを、求めてるんじゃないかという気がします。難しい話とかもちろんあるわけですが、気軽に参加できるような形に、何か自分ができたらいいなと考えております。

軽部 では最後になりましたけど岸里さん。

岸里 参加するきっかけは、東腎協副会長のの森田さんが同じ病院でしたので、まず青年部に参加してみようと思いました。うちの病院は患者会自体しっかりしていて、すでにそういう環境ができていたので、東腎協の中で活動したいと思いました。江戸川区民ホールとかで常任幹事の方の話を聞いて、医療、福祉全般に知識が詳しいので、まずそういうこと勉強しないと太刀打ちできないと思いました。

軽部 今皆さん、一通りお話伺って、やはり世代のギャップが出てましたけども、これを埋めるために、具体的にどうしていったらいいんですかね。

小野 青年部は、交流会を通して、新しい仲間とかいつも参加してくれる人に、ただ交流会だけじゃなくて会活動そのものに参加してもらう。東腎協のいろんな行事とか、常任幹事の人たちがしている活動にもっと参加してもらえるようにしていかないと、やはり世代交代はできないと思うんですね。

常任幹事はほとんどリタイヤした人が多いので、時間的にも余裕があります。若い人たちは仕事で、日曜日ぐらいしか空いている時間がない。そういう中で患者会活動をするのは負担が大きいんですけども、自分達が、今までやってきてくれた人たちに期待されているんだ、必要とされているんだということがわかれば、もっと積極的に参加してもらえるんじゃないかなと思います。
青年部はこれからもっとがんばっていかなくちゃいけないと思いますし、またこの前の腎キャンペーンに、青年部の何人かが参加してくれたんですけども、常幹の人たちと、交流できる時間が少しだけでもとってもらっていれば、常幹の人たちと青年部が一層親しくなっていけるんじゃないかと、後になって感じました。

軽部 ほかの方は何か具体的に、提案でもいいですが。戸倉さん。

戸倉 大きい常任幹事会とかそういうところで交流しようというのは、まず不可能ですね。私の今までの経験では、やはり少ない人数で何か一つのことをなし遂げるということをして初めて、なんか心が一つになると思うんです。今いろんな委員会というのがありますよね、そういったものに参加できるようにして、成果をみんなでつくっていくという形の中で、つながりができるんじゃないか、という気がするんですけど。少ない人数でちょこちょこあっちこっちでやらないと、だめなんじゃないですか。絆がもっと深くなるような、会をやってみたらどうですかね。

軽部 はい、大崎さんなんかは、いろんな角度から東腎協を見ているんですけど、具体的にはどんなふうに。

大崎 やはりコミュニケーション不足ですね。普通みんな、病院に来て透析を受けて帰るだけで、あまり話ってしませんよね。外で会うとかお茶飲んで雑談するとかないから、いざ患者会に入りませんかとか言われても、幾ら活動してきたんだとか、必要なんだとか言われても、あんまり実感できないと思うし。、みんな一緒に頑張りましょうみたいなとこあったんですけど。、さっき戸倉さんが言ったみたいに、大きい人数じゃなくて少ない人数で話をする機会があるといいんじゃないでしょうか。

軽部 星野さんから、具体的にこうしたらいいのではということはとはありませんか。

星野 そうですね。実際、若い人って範囲が難しいんですけど、例えば三〇、四〇歳以下の人ですね。実数としてどれぐらいどの病院にいるかが、もしわかれば、何かしらの形でこういう企画をやってますとか、こういう話をしてみませんか、とかいうことができると思うんです。

軽部 岸里さんは。先輩からこんなふうに呼びかけてもらいたいとか、要望あります?

岸里 あんまり偉い人は知らないんですけど、うちの森田さんと、あとうちの総会に来ていただいた、藤原さんぐらいしか知らないんだけど、ものすごく頭がよくて、敬語もろくにできないとしゃべりかけられないっていう感じですね。

軽部 そんなことはないですよ。ざっくばらんじゃない。

大崎 仮に森田さん、藤原さんは知っているから話せるけど、知らない常幹の方がいたら、向こうから話してくれないと、多分自分からは話しづらいと思います。大崎さんが言った、気楽さがあれば青年部員はもっと増えると思うんですよ。だからここに出てきている人は、かなり前向きにやってる人ですが、まだ埋もれているような人はどんどん開拓していかないと、次の世代につながらない感じがします。

軽部 本当にその通りだと思うんですよね、僕も五〇近いんだけど、非常に常幹の中では違和感が感じられるんです。、若い人が進んでやっていくというのは、本当にどうやったらいいのかなと、いつも思っています。司会者で個人的な意見ですが、私とか若い常任幹事がグループで発言するような、集まりかなんか持った方がいいのかなと、たまに感じるぐらいです。

小野 常任幹事の人たちも、みんなそれぞれ自分の病院の患者会があるわけですね。森田さんは自分のところの患者会で、こういった若い人たちをすごくよく育てていらっしゃると思うんです。他の会から、あまり若い人が参加していないのが現状なんですけれども、もっと自分のところの患者会の若い方とコミニケーションをとって、患者会の若い人たちを自分たちで開拓していくというか。若い人たちが例えば患者会とか入っていなかったら、もっと声をかけたり、患者会に参加してもらえるように、してほしいと思います。
私たちが年に何回か交流会を開いているんですけれども、たまに常幹、会長とか、ボーリングのときは軽部さんが、来ていただいたりしていますけれども、もっと歳がいった人でも、見学とかに来てくれるといいんじゃないかと思うんですけれども。

軽部 常幹の人も積極的に若い人をやはり引っ張り上げるというか、そういうことは必要ですよね。

戸倉 核になるのはやはり患者会でしょうね。そこでお年召した方と若い方がきちっと連係がとれないと、いきなり連係とれと言ったって無理ですよね。やはり、患者会で頑張ってくれないとだめですかね。患者会から地域ですね、今大事なのは。

軽部 常任幹事ということで灯台もと暗しみたいなところはあるんですよね、自分のところの患者会もなかなか会員数をふやすとかそういうこともできないようなことも。
時間も迫っているんですが、最後に、全体として何かこれだけは青年部として自分たちから今、批判でもいいんですが、東腎協をこうしてしていきたいというような、二一世紀を迎え、自分たちの時代になるわけですから、必然的に東腎協を背負っていかなくちゃいけないわけですので、その辺の抱負というか自分の気持ちも含めて一言ずつちょっと、大崎さん。

大崎 もっと開かれた東腎協というか、キャッチフレーズじゃないんですけども、閉鎖的なところをなくせば、見方を変えると思うんです。会に入ると役員やらなくちゃいけないとか、なんかかたいことばかりやっているからおもしろくないと思って入らない人もいると思うんですけど。でも、同じ病気の人たちと話をするというのは、必ずその方にとってとてもプラスになりますから。そうなれば、会活動もいろいろすんなりやっていけるんじゃないかと思います。

軽部 星野さんは。

星野 同じ病気を持った人同士、気軽に参加できるような場であってほしいということと、もちろん、国の経済・財政も大変なのでなかなか医療費の自己負担なんかも、かたくていやな話ではあるんですけど、警告を呼びかけるというのは、そういったスタンスを、単なる交流組織じゃなくて、その辺の運動を、維持していかなければいけない。偉そうなことを言っちゃいけないんですけれども。(笑)
それと、私たちはこういうことをやっていますというような形で、透析というのはこういう病気で、もちろん大変ではあるんですけれども、全然働けないとかそういうことでもないわけですし、一般の人にもわかるような形で提示できたらという思いもあります。

軽部 岸里さんは、こういう形だったら東腎協というか患者会活動に、自分も参加していけるかなということも含めて。

岸里 まだ始めたばかりでよくわからないんですけど、青年部にこれからちょくちょく参加して、常幹の人たちの考え方とか、やはりこれから医療も赤字財政で逼迫してくるので、どのようにこれからやっていったらいいのかとか、その辺はアドバイスを次の世代につなげられるような活動を、勉強していきたいと思います。

軽部 ありがとうございました。時間もそろそろきたようなので、若い人の考えを、常任幹事が受け止めるためには、対話というか、こういう場に、聞くだけでも参加してもらって、若い人のことがわかるような場所を、つくっていくのがいいんじゃないかという印象ですね。青年部の交流会に、常任幹事も、参加して、皆さんの活発な意見とか行動力を見ることも、本当に大事じゃないかと思います。

本当につたない司会で、皆さんしゃべりにくかったと思うんですけれども、貴重な土曜日。ありがとうございました。

東腎協 2001年1月25日 No.136

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最終更新日:平成13年7月28日
作成:Tokura