会員さん訪問 第85回


好きで始めたフラ・ダンス独立して生徒と夢をかなえ!


ひまわり会

上野 登美江さん(透析導入 平成13年)


今回は都内を初め、三浦海岸、所沢などに13ケ所の教室を持ち、180人の生徒を教えている、フラ・ダンスの先生、上野登美江さんを訪ねました。当日は昼間の柏市での教室の後に開かれた、秋葉原での夜間のレッスン風景を、取材させていただきました。


―昼間に続き、夜間の生徒さんも教えるのでは疲れませんか。


上野 好きで始めたことですし、たくさんの生徒さんが待っていてくれるので疲れませんね。

教室が1週間に4日

上野 現在は、教室も1日おきの週4日なので、休養も取れています。


―とても元気そうですが、腎臓を悪くしてからはどのくらいですか。

上野 透析導入は平成13年の8月ですが、高校生の時に腎臓に異常があると診断されました。導入の3〜4年前から悪化して、その後も食事療法などから逃げていたので、ついに一年前に透析となってしまいしまた。

―導入時の心境はどうでした。

上野 すでにフラ・ダンスの教室をいくつか持っていたので、授業のことが一番心配でした。実は母も20年程透析を受けていたので、透析自体は素直に受け入れられたと思います。

―フラ・ダンスとの付き合いはどのくらですか。

上野 20代の頃、観光でハワイに行き、そこでフラ・ダンスに魅せられました。

趣味から3年前に独立

上野 その後は日本で多くの先生に就き、ダンスの勉強を続けていたのですが、3年前に独立しました。

―何か独立するきっかけがありましたか。

上野 平成7年に夫が脳幹破裂で急死し、その後は夫の経営していた外壁防水業を継いで、職人と現場作業をこなしていたのですが、女性の仕事としての限界を感じ、趣味として続けてきたダンスの道を極めていきたいと思いました。

独立めざし必死でレッスン

上野 ただ、当時はまだ、インストラクターでしたので、独立には障害も多く、一から勉強し直しました。やはり、生徒を教えるにはそれなりの責任が必要ですし、私自身も成長しなければなりません。新しい先生にも就き、とにかく必死でレッスンに励みました。
念願かなって教室を持った時の気持ちは、今でも忘れられません。私が独立する前に母は他界していたのですが、生きていれば一番に喜んでくれたと思います。

―独立後に透析導入となり、何か支障はありましたか。

上野 支障というよりも自分自身のジレンマがつのりました。精神的に辛かったです。透析導入になるくらいなら、死にたいと思ったこともありました。母も透析に耐えていたという事実が無ければ、負けていたかも知れません。

皆の協力で無事乗り越える

上野 教室や、生徒数が増えている時期だったので、休みも無いような状態でした。こんな時に何故、透析に…と思いましたが、それも私のアシスタントの方々、生徒の理解、協力で、乗り越えることが出来ました。
腎臓のことは、それなりに理解していて、むしろ私が元気なので驚いているくらいです。今では一緒に食事をする時など、氷を用意してくれたりと気を使ってくれ、とても感謝しています。ただ、フラ・ダンスは手先の踊りなので、シャントの痕が残るのが唯一の不安材料です。


―フラ・ダンスの魅力とはどんなところですか。

上野 フラ・ダンスは一人で踊れるのです。他のダンスは相手が必要なので、いつでも練習できないという難点があります。また、フラ・ダンスは畳一畳で練習できるので、誰でもすぐに始めることができます。
非常に穏やかな踊りなので、子供からお年よりまで、親しんでもらえます。何よりも明るくて会話無しでも相手に気持ちを伝えられるのが最大の魅力です。

タヒチアン・ダンスについて

―今後の夢とかありますか。


上野 現在、日本で浸透しているフラ・ダンスはハワイアン・ダンスですが、タヒチアン・ダンスもあります。ハワイアン・ダンスに比べてとてもハードなので体力を必要とします。
現在、私の教室では20代の生徒を中心に、このタヒチアン・ダンスの授業を行っていますが、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。タヒチアン・ダンスは、健康的でダイエットにも適しています。特にウエストの引き締めには絶大な効果があります。
子供からお年よりまで、そして若い方にはタヒチアン・ダンスを、幅広い年齢層の方々にフラ・ダンスを楽しんでもらうのが夢です。

―最後になりましが患者会との繋がりを聞かせて下さい。

上野 母も患者会には加入していたので、私が導入した時すぐに加入を勧められ、嬉しかったです。

積極的に患者会の行事に

上野 この度、東腎協の30周年誌をいただき、患者会の歴史や意義がよく解り勉強になりました。今までは、仕事等でなかなか行事にも参加しませんでしたが、今後は積極的に参加し、多くの仲間と交流したいと思います。
透析をしながらも好きな仕事ができて、私は恵まれていると思います。現在のように安心な透析を受けられることに、感謝する心を持ち続けたいと思います。

〈あとがき〉
 小柄でとてもチャーミングな方ですが、パワフルなダンスを披露してもらえ、力強いエネネルギーを感じました。
(取材・小野)

東腎協 2003年1月21日 No.146


最終更新日時:2003.5.24
作成:
M・koseki