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なかまのたより一般 No.141


はじめての就職活動

虎の門・高津会 大崎 春美

 みなさんは毎年9月の障害者雇用月間に行われているハローワーク(公共職業安定所)の障害者就職面接会をご存知でしょうか? 今まで、友人・知人の紹介で時給アルバイトの仕事しかしたことのない私が、今回この障害者就職面接会に挑戦しました。なにせ、生まれてはじめての就職活動で、面接の仕方もわからない状態でしたが、当たって砕けろの精神でやってみましたところ、無事就職することができました。

 まず、地元のハローワークへ行って、求職票を作り、面接会への参加登録をしました。今回は、東京都を3地区に分けて、各々別の日に面接会をするということでしたので、3地区全部に登録をしました。面接の3週間前位に、参加する会社の一覧表が届きましたので、それを元に自宅や病院までの通院距離などを考慮して約10社ほどピックアップしました。その後パソコンでその会社のホームぺージを片っ端から見て歩き、比較検討と情報収集をしました。

 そして、当日。面接会は大きな体育館のようなところで行われ、自分が面接を受けたい会社のブースへいって、自分で面接を受けるというスタイルでした。人気のあるところは、60番目だったりして、面接を受けることが出来ず、履歴書をおいてきました。これを見てもわかるように、行く前にかなり絞り込んでいく必要があるようです。

 わたしは、結局のところ7社の面接がうけられました。その中でも、1社だけ夜間透析のため残業ができないという理由で、面接をやんわり断られましたが、他は透析だからといって難色を示されることはありませんでした。それよりも、仕事は何ができるか、パソコンはどれ位使えるか、そして性格が明るいか等が重要視されていたように思いました。自分の思っていること、心配していること、例えば、治療費が年間600万円位かかるので会社の健康保険にいれてもらえるか、透析の日は早退させてもらえるかなどはなるべく聞くようにしましたが、どの会社の人事担当者も透析のことをわかっているようで、すぐに答えてもらえましたし、すでに透析者が働いている会社も何社かありました。以前とは透析に対する理解が随分違ってきているのだと思いました。

 就職活動は大変だと思っている方も多いと思いますが、とにかく、行動することだと思いました。前に進めば必ず、道は開けるのではないでしょうか。引っ込み思案にならずに、ぜひこの面接会に挑戦してみてください。


〈投稿〉私はこうして高血圧を克服した

高山クリニック 松本 孝雄 

〈概要〉
 私は、透析をして3年半。高血圧だと宣告されて30年です。以前の血圧は、収縮期(上)が140〜170、拡張期(下)が90〜100でした。(新)高血圧の分類で理想的な血圧(上120、下80)が得られないかと、試行錯誤の結果、遂に上が120以下、下が80以下を達成しました。2001年9月現在、降圧剤はノルバスク2.5mgを週1回服用でコンスタントに保たれています。

1)降圧剤

1年半前、大学病院の先生の指導により、次の服用が決まりました。
午前5時 ノルバスク10mg(カルシウム拮抗剤)
午前11時 アダラートL20mg(カルシウム拮抗剤)
午後5時 ニューロタン25mg(アンジオテンシン*$8152拮抗薬)
午後11時 カプトリル25mg(ACE阻害薬)

 この結果、上が130〜140、下が80〜90とほぼ安定しましたが、まだ少し高めでした。

2)食事摂取量

 私の一日の食事を分析した「一覧表」を見ていただくと一目瞭然ですが、誌面の都合上省き、ポイントを述べます。

  1.  玄米黒酢:酢には降圧作用があり、降圧剤カプトリルに似た働きをするペプチドが、アンジオテンシン変換酵素を阻害することにより血圧の上昇を抑えます。(愛媛大学医学部奥田教授)。朝15mlを飲みます。
  2.  カリウム:カリウムはナトリウムを追い出して血圧を下げる働きがあります。1日1900〜2000mgを摂ります。摂取する肉、魚、野菜、果物のカリウム量を透析ノートに逐一記入し、加算します。果物を食べ過ぎて心停止した事件がありましたが、カリウムが2000mgを遥かに超えていたのでしょう。諸刃の剣です。
  3.  青い皮の魚(さば、いわし、あじ等):1日に1食青い皮の魚を食べます。これらはEPA,DHAが多く、血液をサラサラにし、血圧を下げてくれます。
  4.  納豆:納豆キナーゼが血液をサラサラにして、血圧を下げてくれます。1食に30g食べます。
  5.  緑茶:緑茶にはカテキンが豊富で、ACE作用を阻害し血圧を下げます。(静岡県立大学小国教授)
3)水分摂取量

 1日の食事の水分(960g)+代謝水(300g)+飲む水(700g) が体内に入る水(1960g)。
 不感蒸泄(800g)+排泄(350g)が体外に出る水(1150g)。
 その差、810gが1日に溜まる水分。中1日で溜まる水分は1620g。中2日で溜まる水分は2430gですが、運動をして汗をかきますので、1930gになります。
 太田和夫前東京女子医大教授は、中1日の除水量は1kg、中2日の除水量は1.5kgが望ましいと言われます。除水量が多いと心臓に与える影響が“大波”、少ないと“さざ波”と考えられ、後者の方が血圧にも良い筈です。私は、なるべく太田先生のいわれる線に近づけるよう、努力を重ねています。 

 以上述べた3点を実践することにより、私の体質が変わりました。もう高血圧になることはないでしょう。

 編集部から 以上松本さんの体験です。個人差があるため、必ず主治医と相談し充分注意して、自分にあった自己管理をしましょう。

東腎協 No141

                                       最終更新日: 2002年3月12日
                                                 作成:S.Tokura