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リレーエッセイ128

楽しい仲間との出会いを信じて

田中 助成 聖路加ニーレ会 東腎協常任幹事
今年もツツジの花が咲き、年に一度の再開を楽しみにしていた同窓会の案内状が届きました。
私には能登半島で育った青春時代、苦楽をともにした多くの同級生がいます。終戦直後の教育制度の改革により、旧制中学入学後四年間、下級生が無く、上級生からいじめられどうしで、培われた仲間の中で、関東地区在住のニ四〜五名が集まる同窓会は、かたく手を握り、肩を抱きあい、頭づきあい、悪言をぶつけあいながら、だんだん昔の顔に戻っていきます。

皆それぞれ違った業種の仕事に就いていますが、それが反って、結束を強めたのだと、思います。お互い、違った分野の仕事を知ることができ、そして、助け合えたからです。いくつになっても知らない世界に抱く好奇心が、私の10年近くになる透析生活を支えてきたように思います。
昨年、4月常任幹事になり、渉外係と教宣委員を担当してからは、月一回の常任幹事会、年二回の幹事会、総会、多摩地区都立病院の透析ベット見学と増床要求、関東ブロック会議、中南部ブロック交流会、新患者会の設立総会、国会請願、特に東京都への予算要請や都議会各政党のヒヤリングのために六回の都庁訪問に参加しました。
そのつど、先輩常幹と口論しては苦言を頂戴しながら、何とかついてきました。このような患者会の用事、透析、そしてOA機器にたづさわる自営業もすべて、日常生活のつながりと思い、苦にもせず、気がつくとあっという間の一年でした。
新しい仲間ができたのか、せっかく出会えた仲間を傷付けたのかわかりません。まだまだ、時間がかかるでしょう。
でも、もし、透析合併症で働けなくなったり、まして超高額医療費の保険適用や他の補助が無かったら、わずか、30年前の腎不全患者のように二〜三年で家族や親戚に迷惑をかけたまま、今日の私もなかったでしょう。
こんな、ありがたい医療保険制度の運動を続けてこられた先輩諸氏に感謝します。
東腎協の活動を通じて種々の合併症を経験された方々や今も合併症と戦っている人たちと話し合っていますが、先日の第二七回総会での記念講演にもありましたように近年の目覚しい透析技術の進歩や透析合併症の基と思われるカルボニルストレスを駆除する新薬の開発等、希望に満ちた話も聞けます。
私もいま少しの年月、合併症が出ないよう、食事や水分摂取に注意しながら、透析をつづけていけば、きっと、新薬や良きダイアライザー、そして多くの人との楽しい出会いがあると信じて生きていきます。
また、皆様と会える日を楽しみにしています。
東腎協  1999年5月25日 No.128
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最終更新日時:2001年4月15日
確認:K.Atari