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リレーエッセイ136

イタリアハイライト八日間

清水 国衛 新宿水明クリニック東腎協常任幹事
の写真
1998年に定年退職し、自由の身となったので、透析患者向けのツアー(イタリアハイライト八日間)に参加したみた。透析導入後、(透析歴14年8ヶ月)初めての海外旅行だったので多少の不安はあったが、さしたるトラブルもなく楽しい旅行ができた。

昨年はキリスト生誕2000年と25年に一度の大赦の年が重なり、サン・ピエトロ大聖堂をかわぎりにローマの四大聖堂にある聖年の扉が25年の時を経て開放されている。(聖年の扉は25年間コンクリートで固めてあるという。)

僕たちが見学をしたサン・ピエトロ大聖堂は壮大にして壮厳、宗教の違う僕でも心打たれるものがあった。

また、サン・ピエトロ大聖堂には、世界各国から多くの巡礼者が来ていて、ミサの行われる日は聖堂前の広場は巡礼者で埋め尽くされる。さすがはカトリックの総本山だ。
ローマのスペイン階段近くの通りでスリに狙われた。少女を連れ赤ん坊を抱いた女のスリで危うく被害に遭うところだった。ガイドブックである程度の知識を得ていたので事無きを得たが危ない危ない。

外国では治安の悪いところが多く、ナポリではバスの中からの観光となり、バスから降りたのは人気(ひとけ)ない街外れでナポリを一望しただけだった。
イタリアは自動車を購入する時に日本のような車庫証明がいらないということで、街の中には車が溢れている。

また、駐車をする時にサイド・ブレーキをかけないで駐車するのがマナーのようで、車を出すときには前後の車にぶつけて動かして出て行くためイタリア人は車は少々傷ついていても動けば良いという考えのようだ。

それにしても昼間は見られなかった高級車は夜ともなると、有名レストランやカフェのあるヴェネト通りに[ずらり]と並び華やかな一面をみせている。

海外旅行は体力勝負ということもいえるが、高齢者でも自分のペースで旅行をすれば、充分楽しめる。今回のツアーでも80歳の女性の患者さんが旅行を楽しんでいた。

しかし、透析を受けた翌日は少々辛かったようだ。夜間透析で透析開始が午後七時というときもあり、ホテルに帰るのは一一時を過ぎたこともあるのでやむを得ないかもしれない。

透析は安心して受けられる。病院も綺麗で一部屋にベット四台で広々としている。また日本人の通訳が付き、透析方法も日本と変わらない。ただ、除水は三キロ以上はしてくれないので、体重増加は注意が必要だ。旅行は楽しいものだ。体調を調えてまた海外旅行にいきたいものだ。
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