リレー・エッセイ 141

出来ることから無理せずマイペースで

東腎協常任幹事(あけぼの友の会)
一川 和夫

 透析導入して3年、初めは腹膜透析(CAPD)でしたが、半年で体調を崩し血液透析に切り替えました。CAPD当時は自宅で夜寝る前にセットし、朝まで8時間の間に4回透析液を自動的に入れ替えるという最新式の機械を導入したのですが、私の体には合わなかったようです。

 また通院は月1回であとは一人自宅で透析するので、情報が入りにくく、いったい何年くらい生きられるのか? 合併症は? 自分は何を注意したらいいのか? 等々不安なことばかりでした。ところがあけぼの病院に通院透析するようになり患者会に入会し、日帰りバス旅行や学習会に参加して、体験談を聞きました。その時、初めて全腎協、東腎協の活動のお陰で、現在我々が安心して無料で透析医療が受けられ、また、障害者福祉手当や鉄道、航空運賃の割引等が受けられていることを知りました。

 大変驚くと共に歴代の諸先輩の頑張りに唯々感謝する気持ちで一杯になりました。私にも微力ながら何かお手伝いが出来ないかと思っていた折りに、常任幹事にとの話がありました。患者同士の役員会なので休憩を取りながら2〜3時間位だろう、月1回の常任幹事会だけならと、軽い気持ちで今年の4月、引き受けてしまいました。

 これが大変な間違いでした。初めて参加した常任幹事会は午後1時〜5時まで、途中3時に10分間のトイレ休息を挿んで目一杯真剣な会議の連続で息を抜く間もありませんでした。会議が終った時、緊張していたこともあり、ぐったり疲れてしまいました。ところがどうみても私より20歳以上も年上(違ってたらゴメンなさい)で長年の透析の合併症で苦労されている諸先輩が他の役員と一緒に会議で真剣に議論しあっている、本当に頭が下がる思いでした。

 そんな会議が月1回、毎回今も続いているのです。軽い気持ちで引き受けてしまった自分の軽率さ、甘さを恥じ入るものの、糸賀会長以下皆さんが一生懸命、会員拡大に、都立病院医療改悪阻止に、全腎協会議、関東ブロック会議に、学生無年金障害者訴訟に、等々必死に頑張っている姿を見るにつけ「これは大変なところに首を突っ込んでしまったなあ…」と、思っているこの頃です。

 ですが引き受けた以上泣き事は言っていられません。ただ私も合併症を抱えている身なのでここは一番開き直って肩を張らずに出来ることから一つずつ地道に、無理せず、マイペースで! 時には旅行に出かけたり、ジャズコンサートに行ったり、お茶したり、お酒を飲みに行ったりと息抜きしながら、心にゆとりの気持ちを持ちながらお手伝いができればいいなあと…、一度しかない人生です。クヨクヨしないで自分が置かれている現実を直視し、且つ、前向きに明るく元気に仲間の輪を広げていこうと思っています。

東腎協  2002年1月25日 No.141

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最終更新日時:2002年3月12日
作成:S.Tokura