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会員さん訪問 第82回

透析、移植、また透析
今は感謝の気持ちで透析生活を

松和患者会西新宿支部

今泉 介久さん

透析導入年:1992(平成4)年


 今回の患者さんは、松和患者会西新宿支部の今泉介久さんです。現在不動産・金融のコンサルタント会社を経営され毎日ご活躍されています。インタビューは30周年記念総会を開催したセブンシティホールのある東京年金基金センターのレストランで行いました。

―透析、移植、また透析今は感謝の気持ちで透析生活を―
奥さんから生命の贈り物

―腎臓病の経過はどのようでしたか。

今泉 仕事や付きあいなどで無理をしたせいで高血圧等の症状があり、「むくみ」もきて、10年前に透析の導入になり、5年後に腎臓移植したのですが、3年間でまた透析に戻りました。透析に戻るころから腎臓に痛みがでて半年くらい苦しみましたが、今はもう大丈夫です。

―移植は、奥様からでしたね。

今泉 妻には大変感謝しております。若いころは、がむしゃらに働いて家にいることは少なかったのですが、家庭を安心して任せられるので、この年になると一番の安らぎですね。特に腎臓を贈られたことは、自分の生命をいただいたと思っています。移植中は、自由に動きまわれて本当に助かりました。ただ、自己管理は思ったほど楽ではなかったです。

透析はオアシス

―顔色もよく元気そうですね。

今泉 月水金の透析の前にこのビルの中にあるプールで泳ぎ、サウナに1、2回入ってから行くのが日課になっています。そして、透析の4時間は私にとってはオアシスのようなもので、スタッフや患者会の役員さんたちには、大変感謝しております。同じ患者ともよく話をして楽しく透析をしています。

―透析の管理は大丈夫ですか。

今泉 私は体重が増加しやすい体質で、昔から水分が大好きのため水泳してもサウナに入って汗をだしても病院でも1、2番の体重増です。
 最近の医療の方針でしょうか、以前と比べれば、体重増に対してそんなにうるさくいわれなくなっていますので、助かります。

仕事はいまでも多忙

―透析していてお仕事は大丈夫ですか。

今泉 経営者は一番忙しいものです。常に経理、人事、営業などを考えないとやっていけないもので、先を読み変化に対応するために一時も気が抜けないものです。
 私は幸い透析自体はそんなに苦しくないので、そういった意味で透析は唯一の安らぎと思います。また週3回合計12時間分は、仕事を抜けるので、土日に会社に出て社員に示しを付けています。

―お仕事の経歴はどのようものか、お聞かせいただけますか。

今泉 最初に勤めましたのが協和銀行で、最後は支店長までなりました。父が亡くなって父のやっていた「宝石・不動産」の会社を継ぎ今日まできています。病気になる前は、かなり無理をして仕事をこなしてきました。病気をしてから、今では、会食も昼にするようにして暴飲、暴食をしないように気をつけています。
 移植したことは、皆さん、分っているのですが、透析に戻ってからも見た目は元気にしていますので、仕事の関係者には「透析」しているとは気がつかれていないようです。

―透析生活はどうですか。

今泉 沢山の医師、医療スタッフに支えらてこの治療が受けられていることに大変感謝しています。
 生活のリズムの一部として楽しく過していますし、無料でよい治療を受けられているということは本当にありがたいことで「生かされている」という思いでいっぱいです。
 そのことを「あたりまえ」だと思っているかたもおられると思いますが、貴重なことで感謝の気持を忘れないようにしないといけないと思います。

患者会にも感謝

―患者会活動にも積極的に参加されていますね。

今泉 現在の患者の中には、患者会活動に無関心の方もおられますが、私は患者会は必要で私たちはその恩恵を受けており、協力するのがあたりまえで、活動をしている役員の方々にはとても、感謝しています。
 特に金額が大きな医療費が補助されていることに充分関心を持つべきと考えます。ただ残念なことは患者会の行事に出る顔ぶれがいつも同じであることです。もっと、新しい人や、いつも出ない方々にも患者会活動の意義を理解していただき、積極的に参加していただけたらいいですね。

―最後に患者会に意見はありませんか。
今泉 いつも同じ人しか参加しない行事に新しい人が参加しやすいムード作りが大切だと思います。
 また社会的には透析患者は過保護との声を聞きますが、そう思われないように、常に謙虚にする必要があると思います。それは、対世間的にも病院にも行政に対しても恵まれているという気持で接することが大切と思います。また、内部的には非協力的な人の対策をしなければならないと思います。

〈あとがき〉
 まず、透析前にプールで泳がれるということで、お元気なことに驚かされました。お顔からも、透析患者のイメージはなく、社会の第一線で活躍していられる企業家としての責任感がうかがわれ、感銘しました。
 患者会に対するご意見も、今後、考えていかなければいけない問題を指摘され、非協力的な人に対する患者会としての方法をどのようにすればよいか、ぜひゆっくりお話を伺いたいと思いました。
(文 久保・カメラ 軽部)
東腎協 2002年5月25日 No.143
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最終更新日時:2002年7月13日