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血液透析

血液透析(HD)とは

血液透析は腎臓の働きの内、血液のろ過機能を代用するもので、血液を体外に取り出しダイアライザーという透析器で血液中の老廃物をこしだし、余分な水分を取り除きます。

血液透析とは

血液透析による治療のながれ

血液透析の標準的な治療は1週間に3回、1回4時間行われ、下記のような流れで治療を行います。

穿刺

血液透析を行うには血液を引き出すための血管と血液を戻すための血管が必要となり、針を2本刺します。また、必要量の血液を確実に対外循環させるために静脈を太くする手術をします。

血液回路

針に血液回路(チューブ)をつないだ状態。この状態で透析治療が4時間行われます。安定していれば、ある程度は腕を動かすこともできます。

ダイアライザー

ダイアライザーとは人工腎臓のことです。この中に細いストロー(中空糸)が何万本も束ねてあり、その外には透析液が満たされています。この中空糸の中を血液が通るときに血液が濾過され老廃物が除去されます。

透析中

治療中の様子です。枕元にあるのが血液透析の機器です。この機器にその日の治療内容を入力することによって血液透析の治療が行われます。また、透析中は血圧が変動することがあるので必要に応じて随時計ります。

自己管理について

1日24時間働き続ける腎臓に比べて、標準的に行われている血液透析は1週間で12時間です。しかも老廃物、余分な水分の除去だけしか行われません。ですから、次のような食事療法、運動療法等による自己管理、薬による治療が不可欠となります。

水分の管理

中一日でドライウェイト(注1)に対して3%以下、中2日で5%以下の体重増加となるようにコントロールする。水分の管理は塩分を制限することがポイントです。

注1)ドライウェイト(標準体重または適正体重)とは、透析中、透析後に急激な血圧低下が起こらず、尚且つ心臓にむくみ(水分)が無い良好な状態となる体重のことで、このドライウェイトを目標に透析により余分な水分を除去します。

血液中のリンの管理

骨の代謝異常を抑制するために必要な患者の自己管理は、十分な栄養を確保しつつ、タンパク質に多く含まれるリン食事療法及びリン吸着剤によりコントロールすることです。また、薬剤によるカルシウム副甲状腺ホルモン(PTH)の適切なコントロールも欠かせませんので、元気に長生きするためにはこれらの知識を習得する必要があります。

血液中のカリウムの管理

血液中のカリウムが高くなると心臓が停止するという深刻状態になります。心臓が停止するということは・・・。カリウムは野菜や果物に多く含まれますので注意が必要です。必要であればカリウムを下げる薬を飲みます。

身体能力の維持

長く元気でいるためには身体能力を維持、もしくはレベルアップが大切です。 少し早足の週3回位の散歩、歩行などにより手足の筋力、バランスの維持をする。 また、関節の運動の自由の維持、有酸素運動による心肺機能のレベル維持など、身体能力の維持に努める必要があります。

血液透析(HD)の問題点

感染リスク
体外循環に伴う敗血症の危険はあるが頻度は低い。
人工物(ダイアライザ、透析液など)への生体反応
ダイアライザの生体適合性が問題になるが、かなり優れたものが開発され、実用化されている。 透析液は超清浄化が実現している。 アルカリ化剤の非生理的性が問題になっている。
低栄養
アミノ酸を主体とする栄養素の喪失。蛋白漏出。
ブラッドアクセス(シャント等)
循環動態へのリスクが問題になることがある。

特殊な透析の方法

血液濾過(HF)、もしくは透析濾過(HDF)
これは主として、レストレスレッグ症候群や高眼圧症(緑内障)、脳圧亢進の時に行われます。
AFB(アセテートフリーバイオフィルトレーション)法
透析困難症に対する理想的な治療です。但し、特殊な濾過透析の出来る透析器械が必要となります。
DFPP、一般にプラズマフェレーシスと呼ばれる治療法の一種 
次の病気が保険適用となります。
悪性関飾リウマチに対する冷却濾過法、高脂血症に対するLDL吸着、ビリルビン吸着、エンドトキシン吸着、重症筋無力症 免疫吸着
他に長期透析の合併症のアミロイドーシスの治療法としてβ2ミクログロブリン吸着があります。